2006年08月29日

ハルヒ、時かけ好調の角川ビジネスに注目が

 今年のアニメシーンの一番の話題は、テレビアニメでは『涼宮ハルヒの憂鬱』、映画では『時をかける少女』と言っていいだろう。そして、この2作品ともが当初予想以上のヒットであることと角川グループが手掛ける作品であることから角川グループのアニメビジネスに関心が集っている。
 なかでも一番目立ったのは、8月28日の日経産業新聞の2面中央に大きく扱われた「角川アニメ コスト抑えてヒット連発」である。

 この記事では、角川グループが原作から映像化まで自ら一貫して行うことや、ネットでの巧みな話題づくりがヒットを生みだしているとして『涼宮ハルヒの憂鬱』と『時をかける少女』を取り上げている。
 『ハルヒ』についてはDVD各巻8万本以上販売や原作280万部販売、楽曲販売などビジネス面での成果と複雑な番組構成など作品の魅力に触れている。
 また、『時をかける少女』では、超大作の1/10から数十分の一というフィルムのプリント代や宣伝費などコストの安さとそれを補完するグループの多メディア展開が焦点となっている。

 また、こうしたビジネス面での関心は既にビジネス環境に素早く反応する株式市場でも現れている。角川HDの株価は、『ダビンチコード』の映画公開が話題になった4月以降一貫して上昇を続け7月20日に高値4510円をつけている。しかし、映画公開がほぼ収束した7月半ば以降に4040円まで大幅に反落した。
 その後、8月以降急激に株価は切り返し8月9日には年初来高値を更新、その後は4600円付近で高止まりしている。こうした株価の急高騰は8月14日の株式市場新聞によれば、『時をかける少女』の劇場公開が好調なためという。また、證券新報も8月10日と24日に2度にわたって、角川HDの株価と『時をかける少女』の興行との関連を指摘している。

 グループ売上高706億円(2006年3月決算)の角川HDにとって、『時をかける少女』の劇場興収1億円のビジネスはかならずしも大きくない。
 しかし、『ハルヒ』のDVDが1巻あたり3億円から4億円(推定)の販売高となったことを考えれば、今後展開される『時をかける少女』のDVD販売も見越した評価とも考えられる。

 株価に関していえば、角川HDより企業規模が小さい『時をかける少女』の劇場配給を行う東京テアトルも注目である。比較的小さな売上高でも、経営にあたえるインパクトの大きさが違うからである。
 東京テアトルの株価は、『時をかける少女』の公開直後7月19日に254円の今年最安値をつけている。しかし、その後劇場公開の好調が伝わると7月20日に280円を突破した。
 その後は人気の広がりに合わせるかのように株価は一貫して上昇を続け、現在は350円付近で落着いている。『時かけ』効果の株価上昇率は30%から40%程度といえる。

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